サンスクリットの基礎を学ぶ

マントラ、賛歌、プージャーなどで使用される言語はサンスクリット(梵語)です。この講座では、チャンティング(詠唱)に必要な基本的な知識として、発音、デーヴァナーガリー文字の読み書きを学びます。さらに、意味を理解する上で必要な初歩的な文章の読解も行います。ヨーガ・スートラや古典文献の理解には欠かせません。
サンスクリットとは?
サンスクリット(sanskrit)は、言語でサムスクルタ(saṃskṛtam)といい、「完成された言語」「洗練された言語」「洗練された言語」「正確な規則に従って形成された言葉」といった意味があります。
俗語のプラークリット(prākrit/原語 prākrta)に対する雅語(おもに文章で用いる価値の高いことば)です。サンスクリットは、BC1500年頃から現在まで、インドの哲学、宗教、文学などの文献に使用されてきました。
中国や日本の仏教では「梵語(ぼんご)」と呼ばれていますが、これは創造主ブラフマン(梵天)によりつくられたという伝承によります。
デーヴァ・ナーガリー文字
サンスクリットを表記する文字は、ナーガリー(nāgarī)文字です。ナーガリーはナガラ(都市)の文字を意味します。それが神性化されデーヴァ・ナーガリー(devanāgarī)文字と呼ばれます。デーヴァ・ナーガリーとは「神性な都市文字」という意味です。10世紀ごろから用いられています。サンスクリット以外にも、ヒンディー語(hindī)、マラータ語(marātī)、ネパール語(nepālī)などにも使用されています。
デーヴァ・ナーガリーの歴史
古代インドの最初期の文字としては、ブラーフミ―(brāhmī)文字とカローシティー(kharoṣṭhī)文字があります。
ブラーフミー文字
カローシティー文字
ブラーフミー文字とカローシティー文字のうち、ブラーフミー文字はインダス文字を起源とする説やフェニキア文字に起源を持つとされます。一般的にはフェニキア文字がインドに伝えられて改良され、ブラーフミー文字になったとされます。ブラーフミーとは、「ブラフマー(梵天)のもの」と言う意味で創造主ブラフマーによりつくられた文字ということになります。
フェニキア文字
グプタ王朝(320~350年頃)時代には、ブラーフミー文字から派生したグプタ文字(グプタ形ブラーフミー文字)が使用されました。
グプタ文字
さらに、6世紀頃にはスィッダーマートリカー(siddha-mṣtrikā)文字が生まれ、日本には仏教を通して悉曇(しったん)文字として伝来しました。
スィッダーマートリカー(悉曇)文字
7世紀になるとナーガリー文字が生まれ、グプタ文字に代わってサンスクリット写本に使われ、デーヴァ・ナーガリー文字となりました。
デーヴァ・ナーガリー文字
अ आ इ ई उ ऊ ऋ ऌ
ए ऐ ओ औ अं अः
क ख ग घ ङ च च ज झ ञ
ट ठ द ढ ण त अथ द ध न
प फ ब भ म
य र ल ळ व श ष स ह क्ष ज्ञ
サンスクリットのアルファベット
サンスクリットのアルファベットは、14の母音(svara)と33の子音(vyañjana)の合計47の字母(varṇa)と気音(visarga)、鼻母音(anusvāra)から成ります。
サンスクリット基礎講座(全4回)
サンスクリットの発音、デーヴァ・ナーガリー文字での書き方(母音と子音、半体)を学ぶ。また、単語や文章を書いてみる。デーヴァ・ナーガリーを自由に読み書きできる基礎をつくる。また、チャンティング(詠唱)の練習も少し行う。
講座構成
・サンスクリットのアルファベットの正しい発音練習
・よりきれいにチャンティングするための発声練習
・サンスクリットの詩句、ストートラム(讃歌)、マントラのチャンティング実践
・詩句、讃歌、マントラの意味の理解
・初めての方からどなたでもご参加いただけます。
初級2
CDブックをテキストとして、その中の賛歌や詩句をデーヴァ・ナーガリー文字で書き、詠唱したり意味を見ていく。
日程:2ヵ月4回コース(基本的には毎月第2、第4土曜日)
受講料:10,000円(税別)
※教材・資料代込み
初級3
『ヨーガ・スートラ』や『バガヴァド・ギーター』などをテキストとして使用し、それをデーヴァ・ナーガリーで書き、詠唱するとともに、その意味を見ていく(随時個人レッスン受付中)